小学校に入ると心配なのは、「勉強についていけるかどうか」ということだと思います。大学教員をしていると、「すごい教育をしているんじゃないか?」と聞かれることが多いですが、私がしているのは「褒める」ということだけです。専門家としては、脳血流装置を使ったり、視線追尾装置を使ったりして、学習をサポートしたり、そのメカニズムに関する研究をしていますが、家では「褒め」に重点をおいています。褒める目的は「集中力を高める」ということと「モチベーションを高める」という2点に絞っています。
写真は「ひらがなの練習」をしているところです。うまく書けなくて書き直そうとしている時は「もっと上手に書こうとしているの?すごいなぁ!」、集中力が途切れてしまった時は「ちょっと休憩したら、また、さっきの様にすごく集中できるんじゃないの?そうしたら、最後までできちゃうのかな?」など、字の綺麗さそのものをほめることもありますが、その背景にある「やる気」を伸ばしてあげるだけでいいと思っています。本人は「僕は練習すればなんでもできるから頑張る」ということをよく口にしています。本当にその通りで、子どもは教え込まなくても練習を楽しくすることができれば、なんでも上手になると実感しています。ただ、大人もそうですが、なかなか続けることが難しく、上手になっている実感が感じられないと、練習が続きません。大人の場合は自分自信で励ますしかないですが、子どもの場合は、練習シートのバリエーションを考えて作ったり、挑戦する目標をその都度立てたりしながら、モチベーションを維持できる様に大人がサポートするといいと思います。「自分でもできるようになった」と思える時が来るので、その時はサポートを減らしていけばいいと思います。
おにいちゃんがひらがなの練習を始めると、きまって、むーちゃんが「むーちゃんも練習したいなぁ」といって、お水で字をなぞるシートで練習を始めます。二人とも勉強だとは思っていないので、とても楽しんでやっています。お兄ちゃんは小学校での勉強を楽しみにしているので、友だちと楽しく学んで欲しいなと思っています。