101. 研究の秋:特別支援教育専門家チーム会議を通して

 暑かった夏が終わり、秋にかけて涼しさが加速してきました。秋といえば、運動会や文化祭などの楽しいイベントが満載な季節ですね。私たち大学院生は、9月から「特別支援教育士(s.e.n.s)」の資格取得に取り組み始めました(詳しくは、前回の土井さんの記事を参照)。そして、10月からは週2回、「行動分析」に関する研究会を大学院生で開催し、今井先生にも参加していただくことになりました。今年は、新しいことにチャレンジし、たくさんの知識と経験を重ねることができる「研究の秋」にしたいと思います。先週の29日は、今井先生が学識委員をされている埼玉県所沢市教育委員会の特別支援教育専門家チーム会議に同行させていただきました。専門家チーム会議では、医師、臨床心理士、小学校の先生、中学校の先生、通級の先生、教育委員会の方、教育センターの方々が集まり、一人のお子さん(今回は小学生です)を対象に情報の収集や行動分析を通して支援方法を話し合います。また、子どもへの支援の在り方だけではなく、領域が異なる専門家の先生方の連携の仕方や学校という環境を活かした支援の仕方についても学ぶことができる大変貴重な機会です。私たち大学院生は会議の陪席という形で参加させていただき、実際に授業を受けている子どもの教室で行う行動観察にも参加させていただきました。

 専門家チームの先生方は、学校生活で困り感を持っている子どもの気持ちを何よりも大切に思うのと同時に、学校の先生方が取り組みやすい支援方法をわかりやすく提案されています。s.e.n.sの研修会で「アセスメントの総合的解釈」を受講したばかりの私たちにとって、アセスメントと支援方法の組み立てを瞬時に、短時間の行動分析で(小学校の授業時間は45分です)行う先生方の凄さをより強く感じました。今井先生は、「自分がこの専門家チーム会議に養護教諭の立場で参加していたら、どのようにアセスメントして、どのような支援方法を先生方に提案するかを考えながら会議に参加するんだよ」と私たち大学院生に言ってくださいます。私はまだまだ勉強不足のため、行動分析の機会においても子どもの行動の特徴を観察することだけに精一杯になってしまったり、アセスメントについて自信を持って説明することができません。自分の力量のなさに不安になることもありますが、将来養護教諭として働くとき、困っている子どもや先生方の問題を解決できるようになるためには、今たくさんのことを経験し、学ぶことが必要なのだと実感します。s.e.n.sや行動分析、保健室で実施するカウンセリングの方法など、大学院生活の中でしか学べないことがたくさんあります。熱心にご指導くださる今井先生のもと、専門家チームの先生方のように常に子どもや先生方を前向きにする支援ができる養護教諭になりたいと思う1日になりました。

 10月からは本格的に「行動分析」についての勉強がスタートします。基礎の基礎の基礎から始まった私たちですが、いつか後輩のみんなや学校にいる先生方に行動分析をわかりやすく教えることができるように、一生懸命勉強したいと思います。(院生:伊與田万実)